Nature ハイライト

光学:量子光トランジスター

Nature 460, 7251

量子情報処理システムとその関連技術では、ナノチューブのような超小型物体中にスイッチング機能や増幅機能が含まれるようになるだろう。今日の電子デバイスでは、トランジスターがこれらの機能を担っている。従来のトランジスターの「量子の時代」版では、理想をいえば、情報を担うものとして電子ではなく、光子が用いられるだろう。光子は高速であり、デコヒーレンスに対してロバストであるからだ。しかし同時に、そのロバスト性のために、光子は容易に制御できなくなる。今回、チューリッヒ工科大学の研究チームが、単一分子による光トランジスターの実現を実証している。このトランジスターでは、単一の色素分子が、「ゲート」の役割をする第二のビームのパワーに応じて、強く集束されたレーザービームをコヒーレントに減衰または増幅する。

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