Nature ハイライト

発生:心臓のすべてを作り出すISL1前駆細胞

Nature 460, 7251

マウスにおける最近の研究で、ISL1+(Islet1を発現する)多能性胚性前駆細胞が、心臓の主要な細胞型のすべてに分化できる細胞であることが突き止められた。ヒトの心臓形成では、もっと多様な経路が関与すると考えられている。今回、ヒト胎児由来の、多能性をもつISL1+心臓血管前駆細胞群の多様な集団が、発生中のヒト心臓の右心房と流出路で見つかった。ヒト胚性幹細胞株で、遺伝子導入と遺伝子ターゲティング技術を用いて精製されたこれらの始原前駆細胞集団は、心筋細胞、平滑筋、内皮という心臓の主要な3つの細胞型への分化に先立って、自己複製と増殖が可能であることが示された。この研究は、心臓血管疾患のヒトモデル作製や、ヒト再生医療にかかわってきそうだ。

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