Nature ハイライト

細胞:多能性とX染色体

Nature 460, 7251

雌と雄との遺伝子量が同等になるように雌のX染色体の一方を抑制する過程であるX染色体不活性化と幹細胞の分化過程では、どちらの場合にもクロマチンにエピジェネティックな初期化が起こり、新しい状態が固定される。分化した細胞をiPS細胞へと初期化する際にも、不活性化されたX染色体の再活性化が起こり、多能性因子Oct4がこの2つを結びつけていると考えられてきた。今回、Oct4がX染色体の対合と計数の開始によって、X染色体不活性化を調節していることがわかった。Oct4は、非コードRNAおよびタンパク質の両方と相互作用する。この研究によって、幹細胞でのX染色体のエピジェネティックな初期化には、複雑なネットワークが関係していることが明らかになった。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度