葉の極性の確立には、小さなRNA断片である「マイクロRNA」が関与しているらしい。葉の表と裏は明らかにちがっている。表はロウで覆われていることが多く、水を通さず、光合成を行うように特殊化している。一方裏側には、気孔と呼ばれる小さな孔が普通は一面に存在していて、葉のガス交換を行う場となっている。2つの研究により、miRNA165/166として知られるマイクロRNAの、葉の表と裏での分布が不均一で、表に比べて裏側の方に多いことがわかった。この現象は、C A KidnerとR A Martienssenが使ったモデル植物シロイヌナズナでも、またM C P Timmermansたちが使ったトウモロコシでも観察されている。miRNA165/166は、葉の表側に存在する構造の形成に必要な遺伝子群の発現を葉の裏側で抑制することで、葉の表と裏がそれぞれ独自の発生を行うようにしている。