Nature ハイライト

宇宙:やっと解明されたヘルクレス座の謎

Nature 461, 7262

ヘルクレス座DI星は、従来からの物理学と星のモデルではどうも説明できそうにない速度で歳差運動(自転軸方向の変動)をする軌道をもつ連星系として知られている。この異常性を説明するために多くの理論が提案されており、これらの中には、一般相対性理論の破綻、「周連星」惑星、さらには、親星の自転軸と軌道軸との間に極めて大きな傾斜があるとする考えなどがある。今回、ずっと以前からのこの謎が解決された。何度かの連星食の間に得られたスペクトルの解析で、連星をなす星が両方とも横倒しになっていて、軌道軸にほぼ垂直な自転軸の周りを自転していることが明らかになった。ゆっくりとした歳差運動は、横倒しになった星からの余分な力によって生じている。

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