Nature ハイライト

感覚:鳥の眼にはナビ機構がある

Nature 461, 7268

鳥はどのようにしてねぐらへ帰ることができるのだろうか。動物が地球の磁場によって体内の「コンパス」感覚を作り上げていることには異論がないが、その仕組みについては意見が分かれている。一部の研究者は、くちばし内部にあって三叉神経と連絡した磁気受容器によって磁場が感知されると考えているが、磁気情報が眼の複雑な光感受機構によって変換されると考えている研究者もいる。今回、眼が関与しているとする後者の見方が、ヨーロッパコマドリの神経手術と行動観察の研究で裏付けられた。コマドリのクラスターNとよばれる脳中枢部位を破壊したところ、磁気による定位ができなくなったのである。そして、少なくともこの渡り鳥では、くちばし内の磁気受容器と思われる部位は磁気コンパスによる定位に関与していない。

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