Nature ハイライト 感覚:鳥の眼にはナビ機構がある 2009年10月29日 Nature 461, 7268 鳥はどのようにしてねぐらへ帰ることができるのだろうか。動物が地球の磁場によって体内の「コンパス」感覚を作り上げていることには異論がないが、その仕組みについては意見が分かれている。一部の研究者は、くちばし内部にあって三叉神経と連絡した磁気受容器によって磁場が感知されると考えているが、磁気情報が眼の複雑な光感受機構によって変換されると考えている研究者もいる。今回、眼が関与しているとする後者の見方が、ヨーロッパコマドリの神経手術と行動観察の研究で裏付けられた。コマドリのクラスターNとよばれる脳中枢部位を破壊したところ、磁気による定位ができなくなったのである。そして、少なくともこの渡り鳥では、くちばし内の磁気受容器と思われる部位は磁気コンパスによる定位に関与していない。 2009年10月29日号の Nature ハイライト 地球:地球の水はどこから来た? 細胞:翻訳におけるリボソーム 進化:長期実験でみる進化と適応 生化学:「主」から「副」へ 宇宙:高赤方偏移を示すバースト 物理:量子ノイズを抑える 感覚:鳥の眼にはナビ機構がある 医学:宿主と細菌の相互作用 細胞:胚盤葉上層細胞に多能性を取り戻させる 目次へ戻る