Nature ハイライト 生理:体重と代謝率の関係を見直す 2010年4月1日 Nature 464, 7289 1932年にマックス・クライバーが、生物の代謝率は種を越えて体重の3/4乗に比例することを初めて報告して以来、生物の代謝率と体重の関係は生物学者の興味を惹きつけてきた。以後この「スケーリング指数」は何度も計算しなおされ、研究者によっては2/3に近いとされたり、ほぼ3/4だと推定されたりしてきている。今回、新たな解析によって、この関係は対数目盛のグラフで直線とならず、純粋なべき乗則には全く従わないことが示唆された。本来は曲線であるものに直線を当てはめようとすると、使用したデータに強く依存した「スケーリング指数」が導き出される。小型生物を多数含むデータセットを用いると2/3という指数が導き出される傾向があり、大型生物を多数含むデータセットを用いると3/4という指数が導き出されることになる。 2010年4月1日号の Nature ハイライト 物理:目に見える量子力学 遺伝:公表された大規模なCNVデータセット 細胞:明らかになった細胞分裂遺伝子たち 薬学:新しい抗トリパノソーマ薬 地球:ヤンガードライアス期の洪水の跡をたどる 気候:冷たい太陽 生理:体重と代謝率の関係を見直す 目次へ戻る