Nature ハイライト

宇宙:若い宇宙の老いた銀河

Nature 430, 6996

宇宙の歴史は、小さい銀河の合体による巨大銀河の形成に特徴があるとされてきた。しかし観測では、大質量銀河がどのようにして形成されたか明らかになっていないし、いつ形成されたのかさえわかっていない。さらには、宇宙の年齢が現在の約半分であった頃に、それらの銀河が突如出現したかに見えるのが真実なのか、もっと遠方(宇宙のさらに過去)の巨大銀河を見つけ出すのが難しいだけなのかもはっきりしていない。今週号に掲載された2編の論文から判断すると、どうやら真相は後者であって、多くの星や銀河は、考えられていたよりも早い段階で形成されていたらしい。 まずA Cimattiたちは、現在わかっている限り最遠方にある4つの大質量楕円銀河を発見したと述べている。宇宙の年齢が現在の約4分の1でしかなかった頃にこうした系が存在していることは、初期宇宙において大質量銀河の形成が、理論シミュレーションからの予想よりもはるかに早かったことを示している。 もう1つの論文でK Glazebrookたちは、ビッグバンのわずか30億年後にまで遡る最も大質量で十分成長した銀河を、分光学的に探査した結果を報告している。この探査により、初期宇宙には既に、かなりの割合で大質量銀河がちゃんと存在していたことがわかった。

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