Nature ハイライト

細胞:老化が腫瘍を阻止する

Nature 464, 7287

最近の研究で、細胞老化、つまり細胞周期の不可逆的な停止が、in vitroでの腫瘍増殖を停止させることが示唆されている。今回H-K Linたちは、老化を引き起こす、これまで知られていなかった経路で、既知の老化メディエーターのほとんどが関与していないものを明らかにした。シグナルは、転写因子Atf6、およびサイクリン依存性キナーゼ阻害因子であるp27とp21を介して伝えられる。この経路は、発がん性シグナル伝達が起こっている場合に、がん原遺伝子Skp2の不活性化によって明らかになる。薬理学的にSkp2複合体を標的とすると、細胞老化が誘導されて腫瘍形成が抑制されるので、そのような薬剤は抗がん剤として有効かもしれない。

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