Nature ハイライト 海洋学:20世紀の海で起こった海水の質量変化 2004年3月25日 Nature 428, 6981 海水準の変化の解析から、氷の融解が前世紀の海洋の膨張に手を貸していたという証拠が得られた。水温上昇による体積変化よりも融解水の方が、海面を持ち上げる大きな要因であったらしい。これまでの推定では、20世紀における海面上昇率を1.5〜2.0 mm/年と見積もっていた。しかし、気候温暖化による直接的な海洋の膨張では0.5 mm/年しか説明できず、一部の専門家は、上記の全体推定値はあまりにも大きすぎるのではないかと考えるようになっていた。そこでL MillerとB C Douglasは太平洋と大西洋の検潮器による90年以上にわたるデータを用いて、上記の数字はまったく正確であることを示した。彼らによると、このことは海面上昇の半分以上は大陸氷床が融解した淡水による、という理論を支持するものである。 2004年3月25日号の Nature ハイライト 宇宙:太陽に駆動される小惑星 微生物学:細菌のじゃんけんゲーム 神経:見えても信じるな 海洋学:20世紀の海で起こった海水の質量変化 医学:RNA干渉で遺伝子機能の解明が進む 化学:種から結晶を成長させる 材料:あっという間の3次元印刷 目次へ戻る