Nature ハイライト 宇宙:太陽に駆動される小惑星 2004年3月25日 Nature 428, 6981 地球近傍に達する軌道の小惑星は、太陽熱によってその軌道にやってきた可能性が高いようだ。P Paolicchiたちは、火星と木星の間にある主小惑星帯から地球近傍の軌道に移動した小型小惑星21個の自転を調べた。そしてこれらのうち14個は、地球の自転方向とは反対に逆行自転しているのに対し、7個は、同方向に(順行)自転していることを発見した。しかしこれらの小惑星が、衝突によって小惑星帯からはじき出されたとすれば、順行自転するものと逆行自転するものは、ほぼ同数であるはずだ。しかし彼らの観測結果は、ヤルコフスキー効果に基づく予測と一致する。この効果は、小惑星の「午後」の側が、より長く日に当たっていたために「午前」の側より暖かくなるというものである。あらゆる作用には、反対向きの反作用があるので、小惑星の一方の側から伝わる熱は、小惑星をその軌道から離脱させて反対方向へ、つまり逆行自転なら太陽に向かう方向、順行自転なら太陽から遠ざかる方向へ押しやるのだ。 2004年3月25日号の Nature ハイライト 宇宙:太陽に駆動される小惑星 微生物学:細菌のじゃんけんゲーム 神経:見えても信じるな 海洋学:20世紀の海で起こった海水の質量変化 医学:RNA干渉で遺伝子機能の解明が進む 化学:種から結晶を成長させる 材料:あっという間の3次元印刷 目次へ戻る