Nature ハイライト

細胞:アクトミオシンの流れとともに

Nature 467, 7315

アクトミオシンの表層流は、細胞生物学、発生生物学のさまざまな過程で非常に重要である。線虫(Caenorhabditis elegans)の1細胞期胚では、アクトミオシンの大規模な表層流が細胞表層の極性タンパク質を前部と後部とに分離することにより、非対称細胞分裂に不可欠な前後方向の極性が確立される。このような長い距離に及ぶ表層流を発生させる力やその物理的原理は、まだ解明されていない。Mayerたちは、表層張力(全機械的張力)の新しい測定方法を考案し、表層流がアクトミオシンネットワークの収縮力によって駆動されていることを明らかにした。表層流の方向は表層張力の異方性によって決まり、表層の粘性が十分高いときに限って長距離に及ぶ表層流が生じる。

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