Nature ハイライト

化学:バーニアテンプレートで複雑な分子の合成が簡単になった

Nature 469, 7328

分子テンプレート法を使えば、構成分子を適切に配置してから共有結合によって連結することにより、標準的な合成法では容易に得られない複雑な分子を合成できる。しかし、合成対象となる分子構造体が大きくなると、テンプレートの合成自体が困難になる。今回O’Sullivanたちは、モアレパターン形成の原理に基づく「分子バーニア」を使って、この問題を解決できることを示している。6つの結合サイトをもつバーニアテンプレートと、4つのポルフィリン(結合部位として働く)をもつ分子ブロックを使って、12個のポルフィリンからなる直径4.7 nmのナノリングが合成された。容易で効率がよいため、バーニアテンプレート法は単分散巨大分子を合成する強力な新手法となることが、今回確証された。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度