Nature ハイライト

進化:擬態する被食種どうしは距離を置く

Nature 469, 7328

擬態する被食種どうしは距離を置く
擬態する被食種どうしは距離を置く | 拡大する

Credit: Martin I Taylor

ミュラー型擬態種は、被食者になりうるが有毒あるいは食味が悪いことを明示・警告している種群を指しており、これらの種は近縁でないにもかかわらず類似した警告色を進化させて共通の捕食者の食欲を減退させ、数の力で生き残っていこうとする。しかし、競争的排除が1つの擬態種に有利に働いて他種を犠牲にすると予想される場合、こうした擬態の効果が多種共存を維持するのに十分かどうかは、よくわかっていない。M Taylorたちは、種の豊富な熱帯産ナマズの分類群にみられるミュラー型擬態を調べて、この問題に取り組んだ。形態計測および安定同位体による分析の結果、擬態種どうしが同一のニッチを占めることはなく、資源を巡る種間の直接的な競争がないために多種共存が可能だと説明できることがわかった。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度