Nature ハイライト
進化:擬態する被食種どうしは距離を置く
Nature 469, 7328
ミュラー型擬態種は、被食者になりうるが有毒あるいは食味が悪いことを明示・警告している種群を指しており、これらの種は近縁でないにもかかわらず類似した警告色を進化させて共通の捕食者の食欲を減退させ、数の力で生き残っていこうとする。しかし、競争的排除が1つの擬態種に有利に働いて他種を犠牲にすると予想される場合、こうした擬態の効果が多種共存を維持するのに十分かどうかは、よくわかっていない。M Taylorたちは、種の豊富な熱帯産ナマズの分類群にみられるミュラー型擬態を調べて、この問題に取り組んだ。形態計測および安定同位体による分析の結果、擬態種どうしが同一のニッチを占めることはなく、資源を巡る種間の直接的な競争がないために多種共存が可能だと説明できることがわかった。
2011年1月6日号の Nature ハイライト
医学:記憶障害の一要因であるEphB2
脳:ドーパミンはそれ自体が報酬である
宇宙:炭素に富んだ太陽系外惑星
物理:中性子–陽子対にみられる新しいスピン
化学:バーニアテンプレートで複雑な分子の合成が簡単になった
進化:擬態する被食種どうしは距離を置く
進化:生態系の中の生物多様性
細胞:複製フォークでのゲノムの完全性
構造生物学:タキソールを合成する酵素の構造