Nature ハイライト
Cover Story:関節を作るための骨折り:この「歩くサボテン」は現在の節足動物の先触れだったのか
Nature 470, 7335
節足動物に見られる関節を持つ肢は、世界最大の種数を擁するこの動物群の進化を促進した重要な革新である。節足動物の祖先は、脚を持つ蠕虫に似た「葉足動物」と呼ばれる絶滅した動物群であると考えられている。中国で新たに発見された5億2,000万年前の化石葉足動物は、既知の化石種中で現生節足動物に最も近縁のものであるかもしれない。蠕虫に似た、この細い動物は、「歩くサボテン」のような姿をしていることから、Diania cactiformisと命名された。頑丈で関節のあるとげだらけの脚の始まりのような構造は、この奇妙な動物が節足動物の起源にきわめて近いものである可能性を示唆している(Letter p.526)。
2011年2月24日号の Nature ハイライト
進化:地球温暖化傾向について行くには
量子情報科学:量子計算への道を開く
医学:ストレス障害のバイオマーカー
生化学:風変わりな塩基対はゲノム構造をさらにおもしろくする
発生:初期胚でのデフォルト経路は神経への分化
宇宙:背景の中の銀河
気候:大規模干ばつの歴史
地球:火山性微動の性質
医学:プリオン感染の2つの段階