Nature ハイライト
気候:大規模干ばつの歴史
Nature 470, 7335
米国南西部では、過去2,000年の間に何十年も持続する干ばつが時々起こっていたことが知られている。しかし、モデルシミュレーションからは、将来、気候がより温暖になると、これらよりはるかに長期間にわたる「大規模干ばつ」が起こる可能性が示唆されている。ニューメキシコ北部の湖の堆積物コアの新しい解析結果から、そのような極端な干ばつが以前にも起こっていたことが明らかになった。すなわち、千年スケールの大規模干ばつは、更新世の間氷期の最も温暖な時期に頻繁に起こっていたのである。このような干ばつ期間の年平均気温は、今日の気温と同程度か、もっと高かった。更新世中期と完新世の気候記録を比較すると、多くの類似点が明らかになり、もし人為起源の温暖化が起こらなかったら、米国南西部は、すでに寒冷かつ湿潤な時期におそらく入っていたと考えられる。
2011年2月24日号の Nature ハイライト
進化:地球温暖化傾向について行くには
量子情報科学:量子計算への道を開く
医学:ストレス障害のバイオマーカー
生化学:風変わりな塩基対はゲノム構造をさらにおもしろくする
発生:初期胚でのデフォルト経路は神経への分化
宇宙:背景の中の銀河
気候:大規模干ばつの歴史
地球:火山性微動の性質
医学:プリオン感染の2つの段階