Nature ハイライト
生態:気候変動についていく
Nature 467, 7318
気候変動によって、多くの動植物種の地理的分布域が緯度と高度の両面で移動すると予想されている。しかし、報告されている多くの分布域移動は、たとえ分類学的に近い種の間でも個々に特異的であり、また、1つの種の分布域の低緯度側や低高度側の境界線が、必ずしもその種の高緯度側や高高度側の境界線と同じ速さで移動しているわけではない。今回D DoakとW Morrisは、ツンドラ植物であるコケマンテマとムカゴトラノオに関する個体群動態データを使って、低緯度側または低高度側の分布境界線付近の個体群動態に関するさまざまな値の変化が気候温暖化の影響を補償していることを明らかにした。ただし、この補償作用は長続きしそうもなく、温暖化が進めば転換点に到達しかねないことも明らかになった。
2010年10月21日号の Nature ハイライト
進化:複雑性の生体エネルギー論
宇宙:赤方偏移z ≈ 8.6にある銀河
宇宙:拡散オーロラを生み出すコーラス波
化学:液晶電気泳動
気候:水供給の問題
地球:PETM事件を引き起こした2つの温暖化
生態:気候変動についていく
生理:父親の食事習慣と娘のグルコース不耐性との関係
発生:X染色体の初期のサイレンシング