Nature ハイライト
化学:液晶電気泳動
Nature 467, 7318
電気泳動は、均一電場中の流体に対する分散荷電粒子の相対的な運動である。電気泳動は分離手段として広く使われており、直流電場では担体として等方性流体である水を用いることが多い。今回Lavrentovichたちが報告している液晶電気泳動はこの技術の変種であり、新しいディスプレイ技術や新規な分離法、マイクロモーターなどの分野に応用できる可能性がある。この新方法は、担体として異方性流体であるネマチック液晶を用いており、交流電場、直流電場の両方で、完全に対称な荷電粒子と非荷電粒子のどちらも移動させることができる。用途によっては、交流電場が利用できれば実用面での利点があるだろう。この新型電気泳動では、粒子自体に対する影響ではなく、粒子周囲の液晶配向の歪みによって動きが引き起こされる。
2010年10月21日号の Nature ハイライト
進化:複雑性の生体エネルギー論
宇宙:赤方偏移z ≈ 8.6にある銀河
宇宙:拡散オーロラを生み出すコーラス波
化学:液晶電気泳動
気候:水供給の問題
地球:PETM事件を引き起こした2つの温暖化
生態:気候変動についていく
生理:父親の食事習慣と娘のグルコース不耐性との関係
発生:X染色体の初期のサイレンシング