水なしに育つ生物は存在しない。成長に及ぼす水の重要性が今週号で見事に説明されている。T E Huxmanたちは、水が乏しい環境では、砂漠から森林に至るあらゆる生態系で水利用効率が同じく最大値を示すことを明らかにした。彼らは、植物が成長に利用する降水量の比率を示す「雨水利用効率(RUE)」と呼ばれる指標に着目した。一般にRUEは、異なる生態系間で大きく変動し、降水量の増大に伴って小さくなる。すなわち、雨が多く降るほど生態系に余裕が生まれ、無駄に使われる部分が多くなる。しかし、どのような生態系でも、水が乏しい状況では同等のRUEに収束するという今回の発見は、植生構造や土壌の質といった、RUEを変動させる他の要因がそれほど重要でないことを示唆している。