Nature ハイライト 遺伝:白血病細胞で見られる遺伝的多様化 2011年1月20日 Nature 469, 7330 個々の患者のがん細胞の全ゲノム解析から、がん細胞には遺伝的にかなりの不均一性があることが明らかになった。今回2つの研究グループが、急性リンパ芽球性白血病(ALL)患者で見られる遺伝的均一性について解析を行っている。K Andersonたちは、ETV6–RUNX1陽性ALLの60人に由来する多数の単一細胞の変異プロファイルを作製し、F Nottaたちは、BCR–ABL1陽性ALLのプロファイリングを行った。両方のグループが、がんの進行過程でさまざまなサブクローンが出現する進化の経路を推論している。このがんを形成させるために移植した白血病伝播細胞(leukaemia-propagating cell)は、本来の腫瘍に見られる遺伝的多様化をそのまま再現するので、これらの機能的な細胞亜集団の不均一性を遺伝子レベルで解明するための手がかりになる。この研究は、特に白血病伝播細胞を標的とする腫瘍治療法に関係してくる。 2011年1月20日号の Nature ハイライト 遺伝:白血病細胞で見られる遺伝的多様化 細胞:転写の詳細を観察 宇宙:ブラックホールが母銀河を食らう仕組み 生態:農業の始まり 脳:まだ見ぬ場所の感覚 視覚:網膜が方向感覚を得る仕組み 免疫:本来の性質が明らかになったヒトβデフェンシン1 目次へ戻る