Nature ハイライト 免疫:本来の性質が明らかになったヒトβデフェンシン1 2011年1月20日 Nature 469, 7330 デフェンシンは自然免疫における重要なエフェクター分子で、宿主を感染微生物から守り、粘膜表面の微生物叢の構成を決定付けている。ヒトβデフェンシン1(hBD-1)はデフェンシン類の中でも最も目につくペプチドの1つで、ヒト上皮の実際上すべての部位で発現されているが、これまでの研究では他のデフェンシン類に比べ抗菌活性が低いとされている。だが、今回J Wehkampたちは、遠位結腸に見られるような還元条件下では、病気を引き起こすことがあるカンジダ菌(Candida albicans)、ビフィズス菌類(Bifidobacterium)、乳酸桿菌類(Lactobacillus)に対して、hBD-1が強い抗菌活性を示すことを明らかにしている。in vitroでの証拠からは、腸管上皮でhBD-1の抗菌活性を発揮させる還元剤となる可能性が最も高いのはチオレドキシンであるようだ。 2011年1月20日号の Nature ハイライト 遺伝:白血病細胞で見られる遺伝的多様化 細胞:転写の詳細を観察 宇宙:ブラックホールが母銀河を食らう仕組み 生態:農業の始まり 脳:まだ見ぬ場所の感覚 視覚:網膜が方向感覚を得る仕組み 免疫:本来の性質が明らかになったヒトβデフェンシン1 目次へ戻る