Nature ハイライト

Cover Story:新発見の6個の惑星:ケプラー望遠鏡の最新技術で発見された、太陽類似星を周回する密な惑星系

Nature 470, 7332

NASAのケプラー計画は、親星を前面通過(トランジット)する太陽系外惑星を検出し研究するために設計された宇宙望遠鏡ケプラーによる観測計画で、ケプラー11と命名された太陽類似星を巡る6つの惑星からなる系を発見するという大きな成果をもたらした。惑星のうちの5つは、10日から47日の軌道周期を持ち、サイズと質量の両方が測定されたものとしては最小の部類に入る。6番目の惑星で最も外側を周回するものは、今のところ特徴があまりわかっていない。このほかに見つかっている、2つ以上の惑星のトランジットが確認された星は、3つの惑星を持つケプラー9だけである。今回発見された系は、惑星がほとんど同一平面上にあるという点で我々の太陽系と似ているが、ケプラー11の惑星の軌道のほうが親星に近い。ケプラー望遠鏡は、ケプラー11とその惑星に関するデータを当分の間送り続けることになっており、こうしたデータから、太陽系一般の形成と進化のモデルについて、多くの有用な制約条件が得られると考えられる(Article p.53)。表紙イラストは、2010年8月26日に観測された3つの惑星が同時にトランジットするようす。

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