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構造生物学:LCLSのX線レーザーによる生体分子画像化

Nature 470, 7332

LCLSのX線レーザーによる生体分子画像化
LCLSのX線レーザーによる生体分子画像化 | 拡大する

Credit: Jean-Michel Claverie, Chantal Abargel and Virginie Tichanne-Seltzer, Marseille

スタンフォード大学内の新しいフェムト秒硬X線自由電子レーザー施設であるLCLS(Linac Coherent Light Source;線形加速器コヒーレント光源)の稼働が開始され、生体分子画像化の新たな時代への期待が高まっている。強くて非常に短いX線パルスならば、小さな構造の回折イメージングを、照射損傷が起こる前に得られるのだ。今回、その概念証明と言える研究成果が2つ発表され、LCLSの有効性が示された。Chapmanたちは、大きな結晶に成長させることができない巨大分子のナノ結晶を使って構造決定に取り組み、膜タンパク質である光合成光化学系Iのナノ結晶の流れから300万以上の回折パターンを得て、このタンパク質の三次元データセットを組み立てた。Seibertたちは、冷却したミミウイルス粒子のビームをX線ビームへ注入することで、非結晶性生物試料であるミミウイルスの像を得ている。

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