Nature ハイライト

工学:プログラム可能なDNAネットワーク

Nature 475, 7356

ニューロンをベースとする脳が進化する前には、複雑な生体分子回路が、個々の細胞に確実に生き残るための知的挙動を行わせていたと考えられる。しかし、分子がどのようにして「考える」のかについての研究からは、単一ニューロンをまねた分子ベースの有用な計算システムでさえ、まだ得られていない。Qianたちは、DNAナノテクノロジー、DNAコンピューティング、合成生物学を組み合わせ、DNAを材料として脳のような自律的挙動を示す計算回路を作製している。この方法により、単純なDNAゲート構造を使って、ホップフィールド連想メモリーとして機能する反応カスケードができる。さらに、このメモリーは、DNAパターンを「覚え」、不完全なパターンを提示すると最もよく似たものを思い出すように訓練できる。次の難問は、この方法を使ってパターンや分子事象の認識、意思決定、環境への対応ができる自律的化学システムを設計することである。

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