Nature ハイライト
宇宙:月の表と裏が異なる理由
Nature 476, 7358
月は、はっきり性質が異なる2つの半球からなる衛星である。常に地球のほうに向いている、我々に近い側は、高度が低く、平坦で暗い色をしているが、我々から遠い側は山地が多く、クレーターが密に存在している。M JutziとE Asphaugは、こうした二分性が、月の随伴衛星が月形成の後期になって降着した結果として生じた可能性を示している。随伴衛星は巨大衝突でよく生じるものであり、原始月円盤のシミュレーションや新たな計算によれば、こういう伴星と月との亜音速での衝突では、クレーターではなく、降着によるパイル(集積体)が生じる。そして、その結果できた半球面の層は、遠い側の高地地形の規模と地殻構造に一致する。
2011年8月4日号の Nature ハイライト
気候:その他の温室効果ガス
考古:人類進化の背景を彩った森林とサバンナ
発生:腸のねじれの論理性
宇宙:月の表と裏が異なる理由
物性:超伝導体におけるスピン揺らぎ散乱
物理:解読されたデコヒーレンス
海洋:海の酸性化に対する植物プランクトンの反応
視覚:第三の網膜光受容細胞はさらに細分される
発生:DMRT1の欠失は性転換のきっかけ