Nature ハイライト

発生:DMRT1の欠失は性転換のきっかけ

Nature 476, 7358

Y染色体遺伝子Sryの有無は、哺乳類胎児で前駆細胞が精巣のセルトリ細胞に分化するか、卵巣の顆粒膜細胞に分化するかを決定する。成体の卵巣では転写因子FOXL2が欠失していると、顆粒膜細胞からセルトリ細胞への分化決定転換が引き起こされることがあるが、雄の性決定は安定したものであると考えられてきた。しかし今回、実はそうではないことが示された。成体マウスの精巣細胞は、Dmrt1遺伝子を欠損すると卵巣の細胞になる。転写因子DMRT1がないとFOXL2が活性化され、セルトリ細胞は再プログラム化されて顆粒膜細胞になる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度