Nature ハイライト

進化:持ちつ持たれつの社会が生まれるまで…

Nature 479, 7372

霊長類の社会集団形成パターンの多様性に関する説明や記述には長年にわたって関心が寄せられてきたが、霊長類の社会性の進化史はほとんど注目されてこなかった。しかし、近年の統計的手法の進歩によって、形質の変化を系統樹に重ねて系統立ててモデル化し、互いに相いれない複数の進化的仮説を検証することが可能になっている。Shultzたちは、ベイズ法による比較解析を適用して、霊長類の社会的行動の進化に関するこのような複数の理論を検証した。得られた結論は、単独で採餌する生活から大型の集団が直接進化し、その後に、こうした大集団からつがい生活や雄が1匹のハレム制が派生したというものだ。社会性の発生には、夜行性から昼行性への生活様式の移行が関係している。

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