Nature ハイライト
生理:サンゴヘビの強力な毒の作用機構
Nature 479, 7373
テキサスサンゴヘビに咬まれると、致命的ではないにしても、身を切られるような激しい痛みが長く持続する。今回、こういう痛みにかかわる毒素の特徴が明らかにされた。精製された活性成分(MitTx)は、2つのハウスキーピング酵素の珍しい組み合わせから生じたもので、この二量体形成により酸感受性イオンチャネルASIC1の強力で選択的な活性化因子が作り出される。ASIC1の活性化によって、熱痛や炎症性疼痛を感知する一次求心性侵害受容器が増強される。MitTxの性質が明らかになったこと、また侵害受容にASIC1チャネルが関与しているという予想外の発見は、このようなイオンチャネルの研究にはもちろん、一般的な疼痛研究にも新たな道を開くだろう。
2011年11月17日号の Nature ハイライト
遺伝:長寿のエピジェネティックな遺伝
物理:動的カシミール効果
物性:原子分解能で結晶粒界を見る
気候:森林伐採による寒冷化効果
地球:南極の下での山脈形成
進化:哺乳類の多様性の源
神経:タイミングは嗅覚の要素の1つ
免疫:キラー細胞受容体によるHLA認識
生理:サンゴヘビの強力な毒の作用機構
植物:植物はどうやって酸素不足を知るのか
構造生物学:細菌が赤色を感知する仕組み