Nature ハイライト
生理:2種類のシグナルに1種類の検出器
Nature 481, 7379
同じ分子検出器を活性化する2種類のシグナルを、動物がどのようにして識別しているのかは、シグナル伝達の特異性における基本的問題の1つである。TRPファミリーに属するイオンチャネルは、この現象の注目すべき実例で、例えばTRPA1は、有害な化学物質と無害な温度上昇の両方に応答する。P Garrityたちは、ショウジョウバエの化学感覚ニューロンが温度感受性の低いTRPA1アイソフォームをつくることを明らかにしている。温度感受性があると、有害な化学物質に対する忌避行動が制限される。マラリア媒介蚊でも、TRPA1アイソフォームの多様性に同様なパターンが見られることから、このような細胞種に応じたアイソフォームの違いが、宿主由来の熱感という誘引因子と化学忌避物質との識別を助けているのかもしれない。
2012年1月5日号の Nature ハイライト
生物工学:細菌集団からなる検出用「バイオピクセル」
宇宙:赤色巨星のコアの回転速度
物理:時間の中に消え失せる
地球:北極海の新しい見方
脳:コカインの影響は可逆的
生理:2種類のシグナルに1種類の検出器
医学:抗HIVワクチン
生理:BKチャネルの構造—開いた場合と閉じた場合
生化学:メタン酸化酵素の構造