Nature ハイライト

Cover Story:フォースを感じる:天の川銀河のブラックホールに向かう巨大ガス雲

Nature 481, 7379

2021年のシミュレーション図/青線は星の軌道
2021年のシミュレーション図/青線は星の軌道 | 拡大する

Credit : ESO/MPE/Marc Schartmann

いて座にある電波源Sgr A*は、天の川銀河の中心にある超大質量ブラックホールの位置にあたると考えられている。今回、恒星軌道の研究から、Sgr A*に向かって秒速1,700キロメートルで移動する天体が見つかった。この天体は、その低い温度とスペクトル特性から、塵に富んだイオンガスの雲で地球の3倍の質量を持ち、ブラックホールへ落下していく過程にあることが示唆された。モデルからは、雲がブラックホールに近づくにつれてX線放射がさらに明るくなり、雲が分裂してブラックホールにガスを供給すれば、数年のうちに巨大な放射フレアが放出されることが予測されている。表紙は、2025年の状況の流体力学によるシミュレーションで、潮汐破壊されたガス雲が高温の降着流と相互作用している。背景は、軌道が決定されているS-stars(銀河系中心の若い星集団の1つ)。(Letter p.51; N&V p.32)

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