Nature ハイライト
Cover Story:フォースを感じる:天の川銀河のブラックホールに向かう巨大ガス雲
Nature 481, 7379
いて座にある電波源Sgr A*は、天の川銀河の中心にある超大質量ブラックホールの位置にあたると考えられている。今回、恒星軌道の研究から、Sgr A*に向かって秒速1,700キロメートルで移動する天体が見つかった。この天体は、その低い温度とスペクトル特性から、塵に富んだイオンガスの雲で地球の3倍の質量を持ち、ブラックホールへ落下していく過程にあることが示唆された。モデルからは、雲がブラックホールに近づくにつれてX線放射がさらに明るくなり、雲が分裂してブラックホールにガスを供給すれば、数年のうちに巨大な放射フレアが放出されることが予測されている。表紙は、2025年の状況の流体力学によるシミュレーションで、潮汐破壊されたガス雲が高温の降着流と相互作用している。背景は、軌道が決定されているS-stars(銀河系中心の若い星集団の1つ)。(Letter p.51; N&V p.32)
2012年1月5日号の Nature ハイライト
生物工学:細菌集団からなる検出用「バイオピクセル」
宇宙:赤色巨星のコアの回転速度
物理:時間の中に消え失せる
地球:北極海の新しい見方
脳:コカインの影響は可逆的
生理:2種類のシグナルに1種類の検出器
医学:抗HIVワクチン
生理:BKチャネルの構造—開いた場合と閉じた場合
生化学:メタン酸化酵素の構造