Nature ハイライト
ナノテクノロジー:DNA折り紙でプラズモニック集合体形成
Nature 483, 7389
P Rothemundが、ネイチャー誌に掲載された「DNAを折り畳んでナノスケールの形状とパターンを作り出す」という論文で初めてDNA折り紙を実証してから6年になるが、この技術はこの間に多くのナノ構造材料やデバイスの自己集合形成に使われてきた。今回、T Liedlたちは、DNA折り紙を使ってプラズモニック構造体を高収率で形成したことを報告している。このプラズモニック構造体は、ナノ粒子をナノメートルの精度で配列させることによって形成したナノスケールのらせん状構造体であり、その光学応答は対掌性、色、強度について合理的に調節可能である。この研究結果は、ナノ粒子の自己集合を誘導して所望の電気的・磁気的特性を持つ材料を作製する手段として、DNA折り紙が高い価値を持つことをはっきり示している。
2012年3月15日号の Nature ハイライト
進化:脊椎動物の脳の進化的起源
遺伝:真核生物ゲノム上の転写開始前複合体のマッピング
ナノテクノロジー:DNA折り紙でプラズモニック集合体形成
化学:酵素を使わないスピロアセタール合成
地球:新原生代の炭素循環を解明する
進化:なぜ寄生生物が優位にならないのか?
脳:神経プロテーゼ操作に使える神経系技能学習機構
生理:肥満のためのシグナル
生化学:起こりにくい環化反応を酵素が起こす仕組み