Nature ハイライト
進化:トゲウオの種分化のゲノミクス
Nature 484, 7392
トゲウオ科魚類のイトヨは、適応進化の分子基盤を研究するための強力なモデルとなっている。今回、イトヨの高精度参照ゲノム塩基配列が構築され、それと同時に、世界の海洋性および淡水性のイトヨ個体群に由来する20個体のゲノム塩基配列も解読された。ゲノム解析によって、世界的に共通する既存の遺伝的変異の再利用が、さまざまに異なるイトヨ個体群の反復進化と、生殖隔離の初期段階に分岐した生態型の維持とに、重要な役割を果たしていることが明らかになった。得られたデータは、海洋性イトヨと淡水性イトヨの並行進化には調節配列の変化が重要であるとする考え方と一致している。
2012年4月5日号の Nature ハイライト
気候:退氷の一因は二酸化炭素だった
進化:トゲウオの種分化のゲノミクス
認知:意思決定における脳活動
物理:「光子がほとんどない」レーザー
生態:人口移動の正確な予測
生態:堆積物の微生物の活動は緩慢である
細胞:VEGFR3と血管新生の制御
細胞:ヒストンのメチル化とDNA複製との関連
生化学:Ciliobrevinはモータータンパク質のダイニンを阻害する