Nature ハイライト

生理:自然条件下での生体リズム

Nature 484, 7394

生物学的リズムに関する現在の理解の大部分は、実験室で動物を明暗の周期下に置いて行われた研究に基づいている。今回C Kyriacouたちは、屋外の半閉鎖環境に置かれたショウジョウバエの周期的行動を観察し、概日リズムを制御すると考えられている遺伝子が変異したハエで野生型の表現型が見られるなど、実験室での研究結果との大きな違いを多数発見した。また、温度と月光などのリズム同調の要因との間に、これまで知られていなかったバランスも見いだされた。これらの知見によって、現在広く受け入れられている「体内時計」や「昼夜の予期」などの概念、およびそれらが自然界で持つ実際の適応上の価値についての全面的な再検討が必要になる。

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