Nature ハイライト
宇宙:通説に冷水を浴びせるアイスキューブ
Nature 484, 7394
南極にあるアイスキューブ(IceCube)素粒子検出器は、高エネルギー天文事象で生じるニュートリノを検出すべく設計されている。今回、アイスキューブ国際共同研究チームは、γ線バースト(GRB)で発生するテラ電子ボルト(1012電子ボルト)という高エネルギーニュートリノを探査した結果を報告している。GRBに伴う高エネルギーニュートリノのフラックス上限値は、予測の3.7分の1より低いことが見いだされた。このことは、1018電子ボルトを超える高エネルギー宇宙線の源はGRBだけではないこと、あるいはニュートリノ生成効率が予想よりずっと低いことを示唆している。いずれの場合であっても、GRBでのニュートリノ生成と宇宙線に関する現在の理論には見直しが必要になりそうだ。
2012年4月19日号の Nature ハイライト
構造生物学:ダイニンの駆動力
宇宙:通説に冷水を浴びせるアイスキューブ
物理:実験で明らかになったコヒーレント量子位相スリップ
地球:雨の痕跡で昔の大気を調べる
生理:鳥が進路を決める仕組みを再考すべきとき
生理:自然条件下での生体リズム
発生:大脳皮質でのアストロサイトの産生
脳:記憶の神経表現
医学:筋ジストロフィーにおけるHsp72