Nature ハイライト

進化:ヘビの地に足の着いた進化

Nature 488, 7410

白亜紀のヘビ類Coniophisの顎の化石(中央)。上下はそれぞれ現生のトカゲ(ドクトカゲ)およびヘビの頭蓋骨。
白亜紀のヘビ類Coniophisの顎の化石(中央)。上下はそれぞれ現生のトカゲ(ドクトカゲ)およびヘビの頭蓋骨。 | 拡大する

Credit: Nick Longrich

ヘビ類の化石はきわめてまれであり、その結果として情報が不足しているために、この独特な分類群の起源に関しては激しい議論が戦わされてきた。ヘビ類は海で進化したのだろうか。それとも、白亜紀の原始的なヘビNajashの化石が示唆するように陸上で進化したのだろうか。有名な恐竜化石ハンターのOthniel C Marshが1892年に初めて発表したヘビ類Coniophisは、長く忘れ去られていたが、今回新たな分析が行われ、ヘビ類が陸上で誕生したことを支持する事実がいくつか明らかになった。Coniophisは陸生種であり、胴体がヘビのようであるが、原始的でトカゲのような頭部を持っている。このことから、初期のヘビ類は地中生活者であり、長く伸びた体型になった後に、現生ヘビ類の特徴である可動性の高い頭蓋を進化させたと考えられる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度