Nature ハイライト

電子工学:コア・マルチシェル型高速トランジスタ

Nature 488, 7410

マイクロエレクトロニクス産業では、トランジスタの高性能化・微細化が進む中で、最近三次元ゲート構造が採用されつつある。トランジスタを高性能化するもう1つの方法は、シリコンより高い電子移動度を持つ半導体材料を使用することであるが、このような材料は作製が非常に困難である。冨岡克広(北海道大学)たちは、これら2つの方法を組み合わせて構造面と材料面の両方から高性能化を試みた。すなわち、6面すべてをゲートで囲まれた六角柱状のコア・マルチシェル型InGaAs(インジウム・ガリウム・ヒ素)系垂直ナノワイヤを、シリコン基板上に正確に成長させたのだ。できあがったデバイスには良好なオンオフスイッチング特性と高速動作が確認され、優れたトランジスタ性能が実証された。

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