Nature ハイライト

物理:光格子における対称性の法則

Nature 488, 7410

ある印象的な概念の跳躍では最近、場の量子論の一部分を成す「パリティ・時間対称性」という抽象的な考えが、天然材料には見られない特異な性質を持つ新しい種類の人工光学材料を設計するのに使えるかもしれないという、飛躍的な考え方が示された。実際にはこれは、光学利得と光学損失の間の相互作用を賢く利用することを意味する。光学利得と光学損失は、もっと簡単に操作できる屈折率とともに、光学系の基本要素のパラメーターである。今まで、この分野の実験研究は初等的な二成分構成に限られていたが、今回U Peschelたちが、この概念を時間領域へ移して大規模な「パリティ・時間」合成格子での光輸送を実証している。このような系に生成できる異常な光学効果の一例として、この媒質が一方向では目に見えなくなることが証明された。

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