Nature ハイライト

細胞:セリン生合成と解糖の結びつき

Nature 491, 7424

ピルビン酸キナーゼのM2アイソフォーム(PKM2)は解糖の要となる酵素の1つであり、がん細胞などの増殖中の細胞の多くで発現されている。今回、生化学実験、構造実験および細胞レベルでの実験により、セリンは以前から考えられていたように、PKM2に直接結合して、これを活性化することが明らかになった。セリンが欠乏するとPKM2活性が低下するが、この低下によってピルビン酸がミトコンドリアでの代謝へと振り向けられ、細胞の増殖に必要なセリン生合成が促進されることが明らかになった。この研究により、グルコース代謝とアミノ酸代謝の関係がはっきりし、グルコース由来の炭素がセリン生合成あるいはエネルギー生産に用いられる仕組みが明らかになった。

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