Nature ハイライト
量子情報科学:ドットの上の量子スピン
Nature 491, 7424
将来の量子ネットワークは、単一電子スピンのような理想的には静止した量子ビット(キュービット)と、光子である「飛行する」キュービットとを組み合せたものになると考えられる。この光子は、遠く離れたキュービット間で量子状態を転送する。そのため、固体プラットフォームにおける単一電子スピンと単一光子との結合は、量子計算・通信分野で長年にわたって重大な問題となっていた。今回、独立した2つのグループが、半導体「量子ドット」構造中に捕獲された単一電子スピンと光子とのエンタングルメントを実証して、この目標を達成した。量子ドットは静止したノードとして作用する。この成果は、長距離量子通信を支える量子ネットワークの最終的な実現に向けた小さな一歩である。
2012年11月15日号の Nature ハイライト
医学:膵臓がんで見つかった新たな変異
医学:HIV/エイズワクチンの標的
宇宙:「ホットジュピター」型系外惑星の軌道崩壊
量子情報科学:ドットの上の量子スピン
材料:自己駆動型アクティブマター
気候:全球の干ばつの変化傾向に関する新しい描像
進化:鳥類が現在のように多様化するまでの経緯
遺伝:アンチセンス長鎖非コードRNAが遺伝子発現を調節する
細胞:セリン生合成と解糖の結びつき
医学:T細胞ワクチンの増強法
細胞:血管での一酸化窒素シグナル伝達