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遺伝:コムギとオオムギのゲノムを解析

Nature 491, 7426

オオムギには、形態的特徴の異なるさまざまな品種が存在する。
オオムギには、形態的特徴の異なるさまざまな品種が存在する。 | 拡大する

Credit: Arnis Druka, JHI, Dundee, Scotland

今週号では2つの研究グループが、主要な穀類であるパンコムギとオオムギのゲノム塩基配列を組み立てて解析し、将来の作物改良に重要となる情報資源を提供している。パンコムギは、人類が消費するカロリーの5分の1を占めている。そのゲノムは17 Gbと非常に大きく、複雑な六倍体である。M Bevanのグループは、454パイロシークエンス法を用いてパンコムギのゲノムを解析し、その結果を祖先種や原種の二倍体ゲノムと比較した。その結果、倍数化と栽培化の過程における遺伝子ファミリーメンバーの著しい喪失、また作物の生産性と関連すると思われる遺伝子クラスの拡大が見いだされた。オオムギは、最も古くから栽培されてきた作物の1つで、二倍体ながら5.1 Gbというかなり大きなゲノムを持つ。N Steinのグループは、高解像度の遺伝学的地図と対応付けた物理的地図を作成し、その地図上に、大規模全ゲノムショットガン塩基配列アセンブリ、cDNAおよびRNA塩基配列のデータを重ねて、オオムギゲノムに関する最初の詳細な全ゲノム解析結果を示している。

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