Nature ハイライト
宇宙:タイタン大気に見られる季節大変動
Nature 491, 7426
NASAのカッシーニ探査機が2004年に土星系に到着したときの探査目的の1つは、土星の最も大きい衛星タイタンの季節的挙動を観測することであった。タイタンには地球大気に匹敵する窒素に富んだ大気がある。季節が移り変わるにつれ、観測による成果が出始めている。今回N Teanbyたちは、中層大気内の春分点後の循環反転を観測した約2年後の、タイタンの南極上での微量ガス蓄積について報告している。そのデータから彼らは、中層大気循環がこれまで考えられていた高度450〜500 kmではなく、タイタンの地表から少なくとも600 km上空にまで広がっていなければならないと結論付けている。これらの発見から、活動的な上層大気化学と、以前は大気境界とみなされていた450〜500 kmにある孤立したもや層に対する別の解釈が必要になると考えられる。
2012年11月29日号の Nature ハイライト
地球:海洋底玄武岩の起源
遺伝:コムギとオオムギのゲノムを解析
免疫:MAIT細胞の免疫監視機能
生化学:励起状態RNAの構造
宇宙:タイタン大気に見られる季節大変動
物理:超流動フェルミ気体の抵抗低下
材料:剛性と安定性の関係
生態:乾燥の脅威に直面する森林
再生医学:器官特異的に幹細胞を増やす
生化学:膜内のCXCR1の構造