Nature ハイライト
生化学:励起状態RNAの構造
Nature 491, 7426
RNAの塩基配列と構造は、その生物学的な役割に重要だとずっと考えられてきた。しかし最近になって、コンホメーションの動的変化が、RNA機能のもう1つの強力な調節因子であることが明らかになってきた。H Al-Hashimiたちは、RNAの非常に寿命が短く、出現頻度が低い、以前は観測できなかった「励起状態」をとらえることができる、核磁気共鳴を使う手法を開発した。こうした状態を引き起こす塩基対の局所的な再配置は、特定の生物学的な過程に必要とされる残基の露出度の変化によって機能に影響を与えていることがわかった。このような励起状態は、細胞が置かれた環境に応じて選択的に安定化される。
2012年11月29日号の Nature ハイライト
地球:海洋底玄武岩の起源
遺伝:コムギとオオムギのゲノムを解析
免疫:MAIT細胞の免疫監視機能
生化学:励起状態RNAの構造
宇宙:タイタン大気に見られる季節大変動
物理:超流動フェルミ気体の抵抗低下
材料:剛性と安定性の関係
生態:乾燥の脅威に直面する森林
再生医学:器官特異的に幹細胞を増やす
生化学:膜内のCXCR1の構造