Nature ハイライト
物理:超流動フェルミ気体の抵抗低下
Nature 491, 7426
今回、超流動の開始に伴う抵抗低下を、強く相互作用するフェルミ気体で初めて観測した結果が報告されている。きわめて低い抵抗で流れるという粒子の能力は、超流動状態と超伝導状態の特徴である。液体ヘリウムや超伝導材料中の粒子流は、超流動や超伝導を特定するのに不可欠だが、極低温フェルミ気体に基づく超流動体に対して同様の測定は行われていない。固体電界効果トランジスタの動作を模擬した実験で、フェルミオンであるリチウム原子の伝導特性を直接測定した結果が報告され、量子気体における流れと抵抗の測定が多体物理を調べる高感度のプローブとなることが示された。
2012年11月29日号の Nature ハイライト
地球:海洋底玄武岩の起源
遺伝:コムギとオオムギのゲノムを解析
免疫:MAIT細胞の免疫監視機能
生化学:励起状態RNAの構造
宇宙:タイタン大気に見られる季節大変動
物理:超流動フェルミ気体の抵抗低下
材料:剛性と安定性の関係
生態:乾燥の脅威に直面する森林
再生医学:器官特異的に幹細胞を増やす
生化学:膜内のCXCR1の構造