Nature ハイライト
免疫:MAIT細胞の免疫監視機能
Nature 491, 7426
粘膜関連インバリアントT(MAIT)細胞はヒトT細胞集団の10%を占めるが、その生理的、また病理的役割については意外にもほとんどわかっていない。その主な理由は、MAIT細胞が認識するMR1拘束性の抗原(類)が見つかっていないことである。MR1はMHCに似た分子で、ビタミンB9様タンパク質のプテリンと複合体を形成したMR1の構造が今回報告された。細菌のビタミンB誘導体はMAIT細胞を活性化することが示されているので、MAIT細胞によって認識されるこれまで不明だった抗原は細菌のビタミン代謝物であると考えられる。つまり、MAIT細胞の生理的役割は細菌感染の検出であるらしい。
2012年11月29日号の Nature ハイライト
地球:海洋底玄武岩の起源
遺伝:コムギとオオムギのゲノムを解析
免疫:MAIT細胞の免疫監視機能
生化学:励起状態RNAの構造
宇宙:タイタン大気に見られる季節大変動
物理:超流動フェルミ気体の抵抗低下
材料:剛性と安定性の関係
生態:乾燥の脅威に直面する森林
再生医学:器官特異的に幹細胞を増やす
生化学:膜内のCXCR1の構造