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神経科学:塩辛すぎるとまずく感じられる仕組み

Nature 494, 7438

甘味、うま味、酸味、苦味という4つの基本味覚は、食欲をそそるか、あるいは不快感を与えるかのどちらかであるのと対照的に、ナトリウム塩は濃度によっておいしく感じられたり、あるいはまずく感じられたりする。低濃度の塩は、ナトリウムチャネルENaCを発現する細胞によって感知される。C Zukerたちは、マウスでは高濃度の塩が、酸味を感知する細胞と苦味を感知する細胞の両方を活性化し、これらの経路を欠失したマウスは塩に対する回避行動をとらないことを明らかにしている。動物は2つの主要な嫌悪性味覚経路を本来の目的から「転用」することにより、有害となりかねない非常に多量の塩を含む食べ物を退けるのだろうとZukerたちは結論している。ヒトでは食餌からの過剰な塩分摂取が心配されているという現状を考えると、今回の結果から、塩の取り過ぎが引き起こすと考えられる悪影響なしに、塩に対する強い嗜好性を制御し、さらには満足させるための、受容器細胞を選択的に調節する薬剤の開発が期待される。

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