微生物学：コレラ病原体の防御機構を乗っ取るビブリオファージ

細菌の適応免疫系であるCRISPR/Cas系は、バクテリオファージなどの侵入してくる核酸を塩基配列特異的に防御している。そのため、CRISPR/Cas系は、細菌とバクテリオファージの間で現在も進行中の共進化的軍拡競走における主要な武器となっている。今回、A Camilliたちは、このような武器が、同じような系を持っている細菌を攻撃するという珍しい例を明らかにした。ビブリオファージにコードされているCRISPR/Cas系が見つかり、このCRISPR/Cas系はコレラ菌（Vibrio cholerae）の染色体上にあるバクテリオファージ抑制性のゲノミックアイランドの働きを解除するのに使われていることがわかったのである。

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