Nature ハイライト

物理:血管を巡る磁石

Nature 435, 7046

無害な磁性液体を患者に注入することで、患者の体内を高い精度で観察できるようになる。磁気共鳴画像法(MRI)ではこのような液体を使って、生体組織から生じる弱い磁気信号のコントラストを高めている。今週号に発表された新しい技術ではMRI装置と同じような外部磁場が使われているが、磁性液体の分布を直接画像化するところがMRIとは違っている。  B GleichとJ Weizeneckerは、注射した液体中の粒子が作る磁場を直接検出することで、体内の幅1ミリメートル以下の微細構造が観察可能だと報告している。また、この磁気粒子画像法(MPI)は、亀裂の検出など材料科学への応用も期待できそうだと彼らは考えている。  「磁気粒子画像法は感度をもっと高くできるので、この能力がフルに発揮されれば、高速でパワフルな技術となると期待され、しかも比較的安価なモバイル・スキャナーとなるだろう」と A TrabesingerがNews and Viewsで述べている。

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