Nature ハイライト
気候:植物プランクトンの細胞の大きさで大気中CO2濃度を追跡する
Nature 500, 7464
円石藻は海洋に広く分布する植物プランクトンだが、石灰化と光合成の両方に炭素を使うという点で、藻類の中でも独特である。今回C BoltonとH Stollは、細胞での炭素フラックスのモデルを用いて、二酸化炭素濃度が低いときには、円石藻は石灰化よりも光合成の方に優先的に炭素を分配し、特に大型の細胞でそれが顕著であることを明らかにした。このことは、小型の円石と大型の円石との同位体的特徴の差異に反映され、二酸化炭素濃度が高ければその差異は小さくなる。このパターンは化石記録に見られる。研究チームは約600万年前の小型円石と大型円石との間に同位体組成の差異があることを見いだし、それは当時の二酸化炭素濃度の地球規模の低下に対する円石藻細胞の炭素獲得の閾値応答であると解釈している。
2013年8月29日号の Nature ハイライト
微生物学:健康は本当のところ、腸の問題
宇宙:コンパクト天体の合体がバーストを引き起こす
宇宙:タイタンの硬い氷殻
材料科学:人工スピンアイスを熱化する
気候:植物プランクトンの細胞の大きさで大気中CO2濃度を追跡する
微生物学:炭素循環と窒素循環の嫌気的結びつき
神経生理学:中脳で見つかった新たな動機付けシグナル
がん:長鎖非コードRNAによって影響されるがん増殖
分子生物学:複製フォークの衝突をうまく処理する