Nature ハイライト
Cover Story:二重の危険:東南極の氷河も気候変動に敏感
Nature 500, 7464
表紙は、東南極アデリーランドの大きな氷山に乗るアデリーペンギンの群れ。西南極とグリーンランドの氷河が近年の温暖化に応答して海洋へ氷を放出し、その結果として海水準が上昇していることは広く知られている。それとは対照的に、ずっと大きな東南極氷床については、極度に寒冷な気候下に位置するため、気候変動にはあまり弱くはないと考えられてきており、温暖化の影響についてはほとんど報告がない。C Stokesたちは、人工衛星画像を用いて東南極太平洋岸に沿った氷河の大規模サンプル群の位置をマッピングし、これらの氷河も実際には、数十年の気候変動に応答していることを明らかにしている。気候変動に合わせて、氷河は1970年代と1980年代に後退し、1990年代には前進し、2000年以降は前進と後退がほぼ半々である。著者たちは、この世界で最大の氷床の一部はこれまで考えられていたよりも外部強制力に対して敏感であると結論している。
2013年8月29日号の Nature ハイライト
微生物学:健康は本当のところ、腸の問題
宇宙:コンパクト天体の合体がバーストを引き起こす
宇宙:タイタンの硬い氷殻
材料科学:人工スピンアイスを熱化する
気候:植物プランクトンの細胞の大きさで大気中CO2濃度を追跡する
微生物学:炭素循環と窒素循環の嫌気的結びつき
神経生理学:中脳で見つかった新たな動機付けシグナル
がん:長鎖非コードRNAによって影響されるがん増殖
分子生物学:複製フォークの衝突をうまく処理する