Nature ハイライト
神経科学:新生児脳損傷のEGFR治療
Nature 506, 7487
未熟児の生存率が上昇しており、それとともに新生児の慢性神経発達障害の発生率も増えている。びまん性白質損傷は新生児脳損傷のある早期産児で一般的に見られ、オリゴデンドロサイト前駆細胞の成熟不全が原因の1つと考えられている。今回V Galloたちは、びまん性白質損傷モデルでオリゴデンドロサイト前駆細胞の上皮増殖因子受容体(EGFR)シグナル伝達を特異的に増強すると、細胞と機能の損傷後回復が促進されることを見いだした。この治療により、オリゴデンドロサイトの細胞死は減少し、新たなオリゴデンドロサイトの産生が増加した。この結果から、EGFRシグナル伝達が、白質損傷後の未熟児の治療標的候補であることが明らかになった。
2014年2月13日号の Nature ハイライト
神経科学:統合失調症の発症機序
創薬:二重の作用を持つオピオイドを作る
宇宙:宇宙再電離に対する見方が修正される
量子物理学:実用的な量子エラー訂正
材料科学:ソフトマターにおける準結晶形成
保全:海洋保護を実現するための5つの条件
生態学:「緑深い」アマゾンは光のいたずらだった
古代ゲノム学:古代ゲノムからアメリカ先住民の祖先が明らかに
神経科学:新生児脳損傷のEGFR治療
細胞:迅速かつ効率的なiPS細胞産生